遠方からあなたの整骨院や治療院に来院してくる患者を喜んではいけない
ある整骨院の先生から、
「近隣の方がなかなか通って来られないのですが、
遠方の方は100%自費治療で来院されます。
このような状態をどのように解釈するべきでしょうか?」
といったご質問をいただきました。
結論から言えば、このような状況はあまり良い状態ではありません。
近隣の方が来院しない・リピートしないということは、近隣の方に認知されていないということです。
もしくは、患者が来院されても「治療の価値がまったく伝わっていない」という状態だということです。
これは、一刻も早く改善しなければならない非常に深刻な状態だと言えます。
「遠方から来院される患者さんがいて、そしてその方は高額の治療を受けてくれるし、リピートもある程度高い。」
このような状況を喜ばれる先生も多いかもしれませんが、実はこれは当たり前の状況なのです。
多くの場合、このような患者は治療院慣れしています。
きっと、その患者さんの住まれている地域でも、いくもの治療院に通われた経験があるはずです。
「もっと良い治療院はないか」と探し回った結果として来院されているので、もともと期待値が高いですし、時間をかけていらっしゃる訳ですから、治療を受けるモチベーションがとても高い状態で来院されます。
そして、「最高の治療を受けたい」と考えているので、こういった患者さんにとって料金はあまり問題ではありませんし、自費治療をすすんで受けてくれるのです。
治療院慣れしているので「一回で治る」とは思っていないので、数回は来院してくれるでしょう。
重要なのは、この「数回」がいったい何回なのか、です。
治療院の原理原則では、最初の1ヶ月は8回、少なくとも3ヶ月の継続来院をすすめるように伝えていますが、この来院指導ができるかどうかが問題です。5回通ったから、8回通ったから・・・という状況は、「経営が成功している、治療活動が成功している」とは言えないのです。
3ヶ月以上しっかりと通っていただき、一時的な痛みの解消ではなく、根本原因が解消されるまで通ってくれている・・・という状況にはなっていないはずです。
もしもそれが出来ているなら近隣の患者さんにも必ず同じ事ができるはずですだからです。
つまり、「遠方の方はくるのに、近隣の方が来られない」という状況だということは、来院指導がしっかりと実践できていない、ということになります。
治療の価値、継続治療の重要性・・・そういったものが残念ながら患者に伝わっていない状況です。
少し厳しい言い方になりますが、こういった状況はしっかりと受け止めていただくことが重要です。
そして、近隣の患者にもしっかりと通っていただける来院指導の改善に取り組まなければなりません。
治療院の経営に関して言うと、80%以上は近隣の患者さんが継続来院することで経営が成り立ちます。
遠方からの患者さんでは経営は成り立ちません。
一刻も早く、地域の方々に対する認知活動、知ってもらう活動をしっかりするということ、来院されたらしっかりと問診・検査・カウンセリングを通じて継続来院してもらう。こういった原理原則に即した仕組みを作り上げてください。