治療院でのがん治療、不妊治療、高血圧治療ってどうなの?
最近では、いわゆる『ゴッドハンド』と呼ばれる先生から、「難病を改善する治療法」を、学ぶ機会も増えてきました。確かに 難病の治療法を習得できたなら、患者さんへの付加価値も提供できます。でも、実際のところ、どうなのでしょう?
例えば「不妊治療」について、女性の患者さんの大きな悩みのひとつに「お子さんがなかなかできない」という「不妊」の悩みがあります。その「不妊の悩み」を解決するという前提で治療院が「不妊治療」に取り組みます。
詳細は省きますが、不妊治療は保険適用外です。不妊治療の専門医療機関を受診すると、不妊の原因の検査から始まり、治療によって費用が嵩みます。最初は10万円程度からの治療ですが妊娠効果が現れなければ、治療法を変えていきますので徐々に自費負担は100万円以上にもなっていきます。
毎月の生理周期に合わせて、ホルモン剤を打ったり人工授精や体外受精など継続していくと、更に費用も増えていきます。妊娠に至るまで、「不妊の悩み」を解決する為に次々と治療をステップアップしていくことになるのです。その「不妊治療」が、鍼 灸院や整体院で手軽に受けられるのならまず試してみよう!と思う患者さんは少なくないでしょう。不妊で悩んでいる患者さんは藁をも掴む心境なのです。
不妊の原因は、人によって様々ですから、自律神経の調整や、腰椎・骨盤の調整などによって鍼灸院や整体院でも、妊娠という成果がでることもあるかもしれません。
また、多くの患者さんは自分でも努力をしています。
・食事療法
・サプリメント摂取
・運動・ヨガ
・禁酒・禁煙
その自助努力の効果によって、懐妊に至るケースもあるでしょう。
ただ、非常に気を付けなければならない点が、幾つかあります。
1.広告制限違反
鍼灸師・柔道整復師は広告で「がん、不妊、高血圧」などの治療に関する広告や宣伝などの記載は一切できません。つまり、これらの治療法を身につけたとしてもチラシ看板はもちろん、ネット集客でも新患集客はできない、ということになります。
2.医師法・薬事法違反
治療の内容が不適切(医師の判断)な場合、違法行為となります。
3.景表法違反
「50%の人が○○を改善!」などの科学的・客観的根拠の全くない表現は明らかに表示違反になります。院内の掲示であっても、処罰の対象になります。
そして、違法行為や違反などが発覚した場合
・逮捕・家宅捜査・営業停止
・免許はく奪・保険取扱い停止
・マスコミ(新聞・ネット)への掲載など
大変なトラブルを招くこともありますので、ご注意ください。特に、「医師法」「薬事法」「景表法」に違反をすると厳しい処罰が科せられる可能性もあります。
確かに「不妊治療」「がん治療」「高血圧治療」などのワードは集客や単価アップに関しては、とても効果があるかもしれません。ただし、本当によく考えてみてください。安易な集客方法によって、全てを失うこともあります。
治療院は、患者さんからの信頼と評判が命です。
全てを失ってからでは、取り返しがつかないのです。