本質的な治療院経営ノウハウを身につけたい先生のための、

なぜ治療家の伝えたいことが患者さんに伝わらないのか?

画像04_伝えるという技術

治療院の先生を指導していると、こんなことを感じることが多々あります。

「伝えるべきことが患者さんにしっかりと伝わっていない」 

この「伝えるべきことの内容」とは、例えば患者さんの身に起きている問題、その問題の根本的な原因、これから行う治療によって期待される効果、治療計画、どれぐらいの頻度で通えばいいかといったことを含む来院指導などです。患者さんがこれらのことをほとんど理解していないケースが、よく見受けられます。

 

ところが、先生方にこの件について指導すると、

大抵の場合は、「全部ちゃんと伝えています」と言われるのです。

 

加えて、

「じゃあ、何を話せばいいんですか?」

「話し方の見本を見せてください。」という返事も多いですね。

 

伝えているようで伝わっていない。これは一体何故なのか?その理由は、ほとんどの先生が、話す内容そのものに重点を置いてしまっていることにあります。

ここで理解しておかなければならないのは、人に何かを伝えるには、話の内容以前にもっと重要なことがある ということです。

 

「メラビアンの法則」というものがあります。これは、矛盾したメッセージが発せられた時に人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかを示す、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによって提唱されたコミュニケーションの実験結果の俗流解釈です。

 

人物の第一印象は初めて会った時の3〜5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚情報」から得ているというメラビアンが提唱する概念において、初対面の人物を認識する割合としては、「見た目/表情/しぐさ/視線等」の視覚情報が55% 、「声の質/話す速さ/声の大きさ/口調等」の聴覚情報が38%、「言葉そのものの意味/話の内容等。」の言語情報が7%と言われています。

 

例えて言うなら「この治療できっと良くなりますよ」という言葉も、小さくて弱々しい声、また自信が感じられない震える声で患者さんに伝えても、相手には全く信じてもらえないということです。同様に、清潔感のない薄汚れた白衣を着ていたり、頭をポリポリ掻きながら何かを話しても、患者さんには何も伝わらないのです。

 

何を伝えるかはとても重要です。
しかしそれ以上に、どのように伝えるかがもっとも重要なのです。

 

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