治療院がアクセス数よりも意識すべき“法令遵守”
今となっては、自分の治療院のホームページをお持ちの方も少なくはないと思います。
少ないコストで効果的に集客できるのがホームページの強みです。私もこれまで、ウェブだけで効果的に新患さんを増やしている先生を何人も見てきました。
とは言え、今は集客がうまくいっているサイトでも、おそらく同じサイトデザインを10年も使い続けることは無いでしょうから、今後いつかはサイトのリニューアルについて考える必要性が出てくるはずです。もちろん、現時点でウェブからの集客がうまくいっていないという方は、早急にページを改善する必要があるでしょう。
今回のコラムは、これから新たにホームページを作ろうと思っている先生にも、すでに自分の治療院のサイトを運営している先生にも、ぜひ最後までお読みいただきたいと思っています。
治療院にありがちなウェブサービスの営業
治療院を経営していれば、ウェブサービス業者からのダイレクトメールや電話、FAXなどによる営業が絶えないのではないでしょうか。
その営業の提案内容の多くは、下記の通りです。
【1】アクセス数を増やす工夫
A.PPC広告の活用
※PPC広告:
広告が実際にクリックされた回数分だけ費用が発生する、
クリック課金型のインターネット広告。
類似の仕組みとしてリスティング広告、コンテンツ連動型広告などもある。
B.SEO対策
※SEO対策:
検索エンジン最適化。
検索結果でより上位に現れるようにウェブページを書き換える技術。
【2】来院数を上げる工夫
【3】交通事故患者集客の工夫
このような“売り”を引っさげて営業された経験がある方も少なくないはずです。
ただし、ここで絶対に見逃してはいけないことがあります。
それは関連法令です。
治療院には、いくつもの法令の縛りがあります。これらの中には「知りませんでした。すみません。」では済まない法令があります。
法令を破ってしまうと、
・逮捕・家宅捜査・営業停止
・免許はく奪・保険取扱い停止
・マスコミ(新聞・ネット)への掲載
このような結果を招くことになります。
さらに、
・医師法
・薬事法
・景品表示法
これらの法令に違反した場合は、2年以下の懲役、3億円以下の罰金という厳しい処罰が科せられる可能性もあるのです。
さまざまな治療院のホームページを見てみると、法令違反を犯してしまっているサイトが少なくないのが実情です。おそらくそのほとんどのサイト制作者には悪意はなく、知らず知らずの内にやってしまったことだとは思います。ですが、もう一度繰り返しますが「知りませんでした、すみません。」では済まないのです。
整骨院の方も柔道整復師法の広告制限についてよく気にされているようですが、それよりも気にするべきは“法令”です。
中にはこの法令を理解せずに「集客できる」「新患さんが増える」という言葉を巧みに操りながら自社のサービスを導入させようとする業者も存在します。
ですから、もしもホームページを外部業者に委託することになった場合は、少なくともこれらの法令について理解しているかを尋ねるべきでしょう。もしくは、先生自身が法令関係についてはチェックするしかありません。
アクセス数よりも“法令”を意識して治療院経営を続けましょう。
さもなくば、これまで積み上げてきたすべてを失うことになりかねません。